作品を護る安全なマット紙です。
額装用マウンティングボードは、作品を引き立て、鑑賞し易くするだけでなく、作品を保護する役割を果たさなければなりません。弊社は、これまでも作品を傷めるさざまな要因から、作品を護りたいという要望にお応えしてまいりました。更にこの度、額縁内の保存環境を積極的に改善するために、材料を吟味し、独自の製造技術と評価方法を駆使して、高機能で且つ高品位なマット紙を作りあげました。大切な作品をいつまでも楽しんでいただくために、安全なマット紙をお選び下さい。

電子顕微鏡写真100倍
コットンの温もりを大切に。
コットン繊維は、本来クルクルとツイストした形をしています。これを水に浸すといったんまっすぐに伸び、乾燥させると、またもとの形に戻ります。
この性質を利用して弊社独自の方法で丹念に漉きあげると、コットン特有の温もりと柔らかさ、弾力性が生まれます。また、硬すぎず、柔らかすぎずに、ほど良い削刀性が得られます。
ピュアマット表面を拡大した写真です。一本一本の繊維があらゆる向きに絡み合っています。
適度なpH値に制御した中性紙です。
繊維に定着している粒状物質が、アルカリバッファ(酸に対する緩衝剤)です。
これが、マット自身の劣化を防ぐとともに、作品中の酸を中和したり、空気中の汚染ガスを吸着する働きをします。
しかし、紙の中のアルカリバッファが過剰にあると、写真などのアルカリに弱い作品を傷めてしまう恐れがあります。ですから、ピュアマットには作品を長期保存するために必要な量だけを加え、冷水抽出pHを7.5±0.5にしました。
電子顕微鏡写真 510倍
さらに拡大してみると、粒状のアルカリバッファが繊維に定着しています。
冷水抽出pHは、JIS P 8133「紙及び板紙のpH試験方法」にもとづいて測定した紙の抽出液の値です。水溶液の酸性、アルカリ性の度合いは、水素イオン濃度(pH=1〜14)で表されます。PH7が中性、7より小さいときには酸性、7より大きいときにはアルカリ性といいます。
目に優しいマット紙です。
美術館などで額装作品を鑑賞する時、マット紙に光が当たって見えにくくなることがあります。ピュアマットは、入射光を拡散するので、作品の鑑賞を妨げません。右の図は、45度の方向から光を当て、一90度から90度まで180度の範囲で受光した時の反射率を示しています。物体に当たった光は、あらゆる角度に反射します。一般的には正反射光が最も多くなるため、人がその角度で物体を見ると、キラっと光って見えます。ピュアマットの反射曲線は真円に近く、特定のピークがありません。この理由は特別に処理したコットン繊維の効果によります。つまり、光があらゆる角度に拡散するため、どの方向から見ても光を感じないことを表しています。ピュアマットを使用すると、どの方向から見ても落ち着いて、穏やかに鑑賞することができます。また、作品はいっそう引き立ちます。

蛍光物質を含みません。
蛍光物質は、太陽光では見えませんが、ブラックライト(紫外線)を当てると青く光って見えます。この蛍光物質を紙に加えると紙の色が白く見えるため、紙の増自剤として広く使用されています。しかし、光による褪色が著しく早く、長期保存用には向きません。右の写真の通り、ピュアマットは蛍光物質を含んでいません。
陰イオン物質を含みません。
ブラックライト照射 紫外線を当てると右画面のように蛍光物質が青く光って見えます。
陰イオン物質を含みません。
イオンクロマトグラム分析は、紙の中の無機酸や無機塩に起因すると考えられる陰イオン濃度を調べる方法です。陰イオンは、紙の材料であるパルプや添加薬品、水などに含まれており、定温度以上の陰イオンが存在すると、紙の劣化を促進させます。右のチャートの通り、ピュアマットは国産A社に較べ、ほとんど陰イオンを含んでいないことがわかります。
イオンクロマトグラム 緑のグラフは陰イオンが多く検出されています。
陰イオンとは、紙の抽出液中に含まれるフツ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、亜硝酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、硫酸イオンなどを指します。

防カピ性に優れます。
紙に繁殖しやすい菌としてAspergillus niger,Penicillium citrinum,Cladosporium
cladosporioides,Altanaria sp.の4種混合菌を、貼付法で2週間培養した結果を右の写真に示します。ピュアマットは、防カビ処理を施しているので、カビを寄せつけません。
4種混合菌による培養試験は、武田薬品工業株式会社殿にて行ったものです。
防カビ試験
雲状のものが培養したカビです。中央にある正方形の試料面に、右の写真はカビの生育が認められます。左のピュアマットはカビを寄せつけていません。

光による変色がありません。
右の写真に耐光性試験の結果を示します。
各試料の周辺部を覆い、中央部の枠内のみに光を当てました。ピュアマットは、ほとんど変色していないことがわかります。

この耐光性試験は、光源にアークカーボンを用い、常温で3日間連続照射したものです。
耐光性試験
長期間、酸、アルカリに耐えます。
額装用マット紙は、どのような性質を持った作品と接触して使用されるかわかりません。そこで、挿入法による強制劣化試験を行いました。下の写真の通り、接触させた紙のpHの違いによって、マット紙の変色の度合いが異なることがわかりました。マット紙が変色すると作品も変色してしまいます。他社品には顕著な変色が見られましたが、ピュアマットでは作品に影響を及ぼす変色は、ほとんど見られませんでした。

挿入法による強制劣化試験は、隣接した紙と紙との相互作用を調べるために、弊社が考案した独自の試験方法です。右の図の通り、PHの異なる3種類の紙(本文用紙)の間に試料を挟み、80℃、80%R.H.の雰囲気の中に24日間試料を暴露したものです。
劣化前
本文用紙
pH5.6
本文用紙
pH7.0
本文用紙
pH9.3
挿入法による強制劣化試験
pHの異なる3種類の紙に接触させてもピュアマットは変色がほとんど見られません。

汚染ガスを吸着します。
ピュアマットを、代表的な汚染ガスに曝した時のガス吸着量を左の図に示します。これらの汚染ガスは、作品の劣化を促進させます。汚染ガスは、自動車や工場から空気中に排出されるだけでなく、建築材料や額縁材料からも発生します。また、古くなった作品からも希卑します。

汚染ガスの吸着量は、80〜130p pmに調整したガスの中にピュアマットを曝し、2時間後のガス濃度から算出しました。また、国内で排出される二酸化窒素濃度の年平均値は約0.03ppm、二酸化硫黄濃度の年平均値は約0.005ppm(1999年環境省)ですから、ピュアマットのガス吸着量がいかに多いかがわかります。

汚染ガスの吸着量
[高濃度の二酸化窒素]吸着試験
右の写真は、ピュアマットで額装した作品とマットを使わずに額装した作品を、高濃度のガスに曝した結果です。ピュアマットが汚染ガスを吸着し、作品の変色を防いでいるのがわかります。
特許出願番号2001−374790「額装用マットボード原紙とそれを用いた額装用マットボード及びその製造方法」
ANSl/NAPMlT 9.16−19931にもとづく「写真画像保存適性試験」に合格
[高濃度の二酸化硫黄]吸着試験
※作品の状態は展示・保存環境によっても大きく左右されます。作品の定期的な状態チェックをお願いいたします。
資料提供:特種製紙株式会社
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